野口健氏ら著名人が釧路湿原メガソーラー計画に猛反対
概要
2025年8月現在、北海道釧路湿原における大規模メガソーラー建設計画が、全国的な反発を呼び込んでいる。日本最大の湿原でありラムサール条約登録地でもあるこの地域は、タンチョウやオジロワシなど希少種の生息地として知られる。大阪市の事業者「日本エコロジー」が進める計画に対し、登山家の野口健氏をはじめとする著名人が強い懸念を表明。さらに釧路市長の鶴間秀典氏は条例制定による規制を打ち出し、事態は政治問題へと発展している。
メガソーラー計画の背景と内容
釧路湿原は日本国内初のラムサール条約登録湿地で、国際的にも高い自然保護価値を持つ。今回計画されているのは、総面積27.3ha、出力約21MW、パネル枚数36,579枚に及ぶ大規模ソーラー発電所である。事業者側は「地域活性化や再生可能エネルギー推進に資する」と主張している。
しかし住民説明会では「希少種の営巣地は存在しない」との説明が行われたものの、後にオジロワシやタンチョウの営巣地が事業予定地内にあることが明らかとなり、信頼性を大きく損なった。
(参考:change.org)
環境への影響と懸念
この計画に対しては、以下のようなリスクが指摘されている:
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生態系破壊:希少猛禽類や水鳥の営巣環境が失われる可能性。
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水質汚濁:造成工事による濁水流出が湿地環境に悪影響を及ぼす懸念。
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火災リスク:大規模施設に伴う自然火災やパネル廃棄物問題の増加。
自然環境に与える打撃は、再生可能エネルギーによる二酸化炭素削減効果を大きく相殺しかねないとの批判が強まっている。
(参考:ben54.jp)
政治と社会の反応
登山家の野口健氏はSNSで「ばっちいものを自然に置く必要があるのか。自然を壊すだけだ」と発信し、計画に強い反対を示した。
(参考:日刊スポーツ)
さらに、釧路市長の鶴間秀典氏は「駆け込み建設を止めるための条例を提出する」と宣言。条例による規制で自然保護を優先する姿勢を示している。
(参考:J-CASTニュース)
私の感想と考え
私は、この釧路湿原メガソーラー計画は再生可能エネルギー推進という大義のもとに、環境保護の基本を軽視した典型的な誤った政策判断だと考えている。日本は2050年カーボンニュートラルを目指す立場にあるが、自然環境の根幹を破壊してまで電力を確保するのは本末転倒である。
再エネの普及は確かに重要だが、立地の選定と環境影響評価の厳格化が前提条件だ。むしろ都市部の遊休地や既存インフラの活用、分散型小規模発電の普及こそが持続可能な方向性であると私は思う。
釧路湿原は日本人だけでなく世界にとってもかけがえのない自然遺産であり、この場所でのメガソーラー建設は「未来への資産を失う行為」と言わざるを得ない。今回の問題をきっかけに、エネルギー政策と自然保護のバランスを根本から問い直す必要があるだろう。